波風に涙や鼓動を消されても 忘れられない真夏の果実
四六時中好きと言ってほしいから 愛はそのままで夢でも逢いたい
この愛に自信を失くしてしまう夜は 涙など見せずに微笑んでいて
欲望の影が君を追いかける 恋の虜は真夏に激しく
車窓から見れば思い出駆け巡る 彷徨え陽炎 舞え蜃気楼
ためらいのボタンをする君を見て愛をとめずに待とうと思う
偽りのシャツ着た君が歩むほどいつもの街が青く震えた
移り気なあなたの愚かさつれなさを渚に落とす涙に詰めて
背伸びなどしないで心の輝きはありのままが美しいから
存在が愛や世界を想わせるそんな君を離したくない
砂浜を指でなぞる仕草が愛おしい涙でかすむ君抱きしめたい
ガラス越しに荒れる渚を見てる君 夏をあきらめさせてパシフィックホテル
君と遊ぶ時のビーチはいつも雨 手をつないで駆け込むホテル
指で髪分けるしぐさの君愛し 泣いてちゃ触れる余裕も無い
君が泣く理由を知らない素振りでも澄んだ瞳にすべてが見える
ゆきずりの恋はいつも儚くて本気で愛した女に耽る
視線を絡ませた湘南俺だけの風景に欲しいルージュの彩り
君の瞳に冷たい俺しか映らねば みぞれまじりの心になる
無邪気にいつも笑っていた君だから泣き顔が俺の涙腺を突き刺した
最後の女と決めたはずなのに寄り添う気持ちが足りずにいた日々
純白が藍と戯れ彩られ浅葱のシャツ着て君と落ち合う
頬さえも 伝わず真っすぐ 涙落ち 平たくなって 文字をぼかした
秋風に吹かれてまどろむ昼下がり見る夢は風より冷たくて
ありがちな会話しかできないで ぎこちなさだけ伝えあっている
臥す君の手をつかみ心は叫ぶ がんばって 生きて、生きて、生きて
供花見て愛でるあの子に教えたい 故人の生命(せい)の美しさ強さ
残された時間はわずかと思う時 闇にひとりの哀しき迷い子
孫たちに尽くすことだけが生きがいと思えるほどの無償の愛
内面は多分に変わっていただろうあなた一人いたか否かで
生きている姿はこれが最後かも 解けぬ憂いがまとわりつく朝