TOKOTAN

写真短歌

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【短歌】波

寄せ返す波を見ている女一人波は返ってもあなたは返らない 強烈に生きることは常に死を前提としている。死という最もきびしい運命と直面してはじめていのちが奮い立つのだ。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arg…

【短歌】内心

言いかけた言葉は訊けない君の内心悲しいほどに解っているから いいかけた ことばはきけない きみのうち かなしいほどに わかっているから 人生に命を賭けていないんだ。だからとかくただの傍観者になってしまう。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffili…

【短歌】ベランダ

ただ一日主無きベランダで君の代わりに浴びし夕焼け ただひとひ あるじなき ベランダで きみのかわりに あびしゆうやけ この世には根性を貫いたがゆえに、敗れ去った人だっていっぱいいる。純粋であればあるほど、この世では敗れざるを得ない。 (function(b,…

【短歌】イヴ

カップルの微笑の中をブラブラと当てどなく歩き続けるイヴ いのちが一番大切だと思っていたころ、生きるのが苦しかった。いのちより大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]…

【短歌】砂

海岸ですくった砂がさらさらと我から落ちるあなたのように 土の中の時代があったいのちがけで芽生えた時もあったしかし草はそういった昔をひとことも語らずもっとも美しい今だけを見せている (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]…

【短歌】ぬくもり

手袋をした手のようにぬくもりを感じ取れないすれ違うふたり 見ているだけで何も描けずに一日が終わったそういう日と大きな事をやりとげた日と同じ価値を見いだせる心になりたい [ 星野富弘 ] (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a…

【短歌】なんらかを

痛いほど首を横に振るなんらかを忘れたくて信じたくなくて わたしは傷を持っているでもその傷のところからあなたのやさしさがしみてくる 星野富弘 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.cu…

【短歌】後ろ姿

さよならは後ろ姿を見送りたい闇に消えて見えなくなるまで 悲しみの意味 冬があり夏があり昼と夜があり 晴れた日と雨の日があって ひとつの花が咲くように悲しみも苦しみもあって私が私になってゆく (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[…

【短歌】すれ違い

すれ違いにもどかしさ感じてこの心 誰に支えてもらえばいいの 自分に誠実でないものは、決して他人に誠実であり得ない。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c…

【短歌】シャツ

シャツ一枚肩に掛けられて優しさが私の心を温かくした ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫(ふる)ひそめし日 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scri…

【短歌】ひとりのドア

ひとりのドアを開いて初めて溢れ出た哀しみの破片君の思い出 ひとりのドアを ひらいてはじめて あふれでた かなしみのかけら きみのおもいで 敗戦は15歳の夏 忘れたい記憶は今に語りたい記憶 佐々木 史子 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759f…

【短歌】臆病

強がれば強がるほど本当の自分が出せぬ臆病なヤツ 敗戦は15歳の夏 忘れたい記憶は今に語りたい記憶 佐々木 史子 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts…

【短歌】白夜

怖さよりやすらぎ感じるような夜道ふたりは今を白夜に生きている 午後五時のホテルのロビーに闇はない 誰か何かの目に照らされて 千葉 聡 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";raku…

【短歌】18歳

18の悩みの果てに食せずに心も体も虚しくなりぬ だぶだぶの闇をたたんでゆく波の音が二人に染みこんで、朝 千葉 聡 悲しみの意味 冬があり夏があり昼と夜があり 晴れた日と雨の日があって ひとつの花が咲くように悲しみも苦しみもあって私が私になってゆく…

【短歌】フォトフレーム

あなたとの写真をフレームに入れる時失う怖さを感じている 台風が近づく夜更けペンをとる 僕は闇でも光でもない 千葉 聡 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c…

【短歌】携帯電話

話し続けて電池が切れる最後まで途中で切る勇気なんてない 「おまえにしか書けないものがきっとある」賢人(ケント)のことば寄せかえす海 千葉 聡 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsma…

【短歌】サイダー

真夏にはサイダー流し込み潤してゆく喉の痛みも程よい刺激 第三次選考で落ちた小説と僕は別れた 燃えるゴミの日 千葉 聡 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c…

【短歌】未成年

生き方に心惹かれている未成年 君の轍を恐れず駆ける 喪服など持たないヒロはジーンズで来た 命より赤い目をして 千葉 聡 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_genreId="0"…

【短歌】皮肉な瞳

哀しみの涙で濡れた瞬間が一番輝く皮肉な瞳 ケント死す 交通事故の現場には溶けたピリオドみたいな今日が 千葉 聡 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scrip…

【短歌】砂浜

砂浜でうずくまったまま波に身を任せてもいい せつなき夕暮れ 熱帯夜 背後霊氏に抱かれつつ叫んでみたい「さらば地球よ」 千葉聡 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.s…

【短歌】やせ我慢

つらいくせに笑顔をつくる別れの夜 過去最高のやせ我慢 明日(あす)消えてゆく詩のように抱き合った非常階段から夏になる 千葉 聡 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_ge…

【短歌】予感

受話器から送られてくる沈黙を持て余して別れの予感 かたはらにおく幻の椅子一つあくがれて待つ夜もなし今は (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.le…

【短歌】劣等感

ふたりの時 闇に包まれていたいのは自分の姿の劣等感のせい 自転車の後ろに乗ってこの街の右側だけを知っていた夏 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scrip…

【短歌】ヒロイン

今ここで大粒の雨に打たれたら遂に完成悲劇のヒロイン (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};c.getE…

【短歌】fashion

出会ってから髪や服に妥協する自分がとても嫌いになった OLの行動原理はほのぼのと(アンデルセン+吉田戦車)だ 荻原裕幸 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_genreId=…

【短歌】深雪

身に凍みる深雪踏み分け我ひとり人思うのみ人恋しき季節 みにしみる みゆきふみわけ われひとり ひとおもうのみ ひとこいしききせつ しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星 荻原裕幸 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.…

【短歌】子猫

子猫包むわれが子猫のぬくもりで暖められた気がした朝 フランスパンほほばりながら愛猫と憲法第九条論じあふ 荻原裕幸

【短歌】透明なふたり

透明なふたりを闇が包む時言葉より心であなたを感じたい 桃よりも梨の歯ざはり愛するを時代は桃にちかき歯ざはり 荻原 裕幸 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_genreId="…

【短歌】雨

雨が似合う男を我はより強く濡れた姿に美しさ思う 最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.leng…

【短歌】視点

君の視線行方が気になり追いかけて重ね合わせる視点と視点 佐保神の別れかなしも来ん春にふたたび逢はんわれならなくに 正岡 子規 rakuten_design="slide";rakuten_affiliateId="0759fd63.777608bb.0c184e8a.61cba9cb";rakuten_items="ctsmatch";rakuten_gen…